過去の刺鍼班と現在の刺鍼班6〜メソッドFとメソッドYの比較

  • 2015.04.11 Saturday
  • 08:45

 ※本連載は筆者Hiro.Simizの個人的な思考実験です。各関係者の実際の思いとは異なる場合があります。

 いよいよメソッドF(福島弘道先生から関西支部に受け継がれた補法手技)とメソッドY(柳下登志夫先生が中心となり東京本部で深化した補法手技)の手技の比較に入ります。

★メソッドF

経に随って取穴する。
押し手を静かに構える。
刺し手で鍼柄の竜頭を軽く持つ。
押し手の拇指と示指の間に鍼を入れ、静かに鍼を穴所まで進める。
鍼先が穴所に接触したら、静かに刺入する。
鍼先が抵抗に当たったところで催気を(自分の得意な方法で)行う。
※研究部旧刺鍼班(2007年度)では、物理的抵抗の前後に本当の目的の深さ(脉変ポイント・催気ポイント)があるとし、それを体感で探る方法を検討した。また集中を高め、適度な左右圧をかけながら催気することを提唱した。
抵抗が緩んだのを度として、左右圧を100%かけ、去ること弦絶の如く抜鍼する。
※物理的抵抗が催気ポイントではないため「抵抗が緩む」ことを「気が至る」ことの指標には出来ない。結局、術者の裁量(体感など)に任されるのだと思われる(2009年度「刺鍼者名鑑」)。また左右圧100%は脉が悪くならない最大限を適度な左右圧とした(2009年度)。
抜鍼と同時に押し手の拇指または示指で鍼口を閉じる。

 これは勉強会で補法手技を実践する際に口頭で唱えたり、自分の臨床で患者さんに補法を行う際に心の中で確認したりするのに便利な順を追った文言です。ちなみに、研究部(旧刺鍼班)で検討した事項を※として入れました。

 これがメソッドYではどう変わっているのでしょうか。

 新刺鍼班で研究したメソッドYでは,鉢△脇韻犬任垢、それ以降がかなり異なってきますので、手順ナンバーをローマ数字に替えています。また異なっている場合は、その意味するところの推測を(理由)として書いています。

★メソッドY

経に随って取穴する。
押し手を静かに構える。
鍼柄と鍼体の継ぎ目を指腹で柔らかく持つ。
(理由)鍼柄の先を持つより鍼がたわみにくい。
押し手の拇指と示指をほんの少し開いておき、その間に鍼を滑り込ませ、やや合谷よりに鍼先を着地させ、ツボのある方へ滑らせて入れる。
(理由)押し手と刺し手の間を進めて直接ツボに鍼先を接触させるよりも、経上を滑らせた方が陥凹部(ツボ)に入りやすい。
※皮部を流れる衛気を鍼先にまとわせて穴所に入れるイメージかと思われる。
モデル患者の経絡の上流に術者の刺し手を置き、その3〜5指を軽度屈曲位にして鍼を支え、拇指と示指の軽い屈伸運動を使って徐に進める。
(理由)手や肘、肩で鍼を押すと姿勢に影響を与えて脉が硬くなる恐れがあり、これを防ぐ意味があると思われる。指の関節の屈伸ならクッション効果がある。
鍼を進めていき、それ以上進まなくなった所で運鍼を止め、その位置を抵抗(目的の深さ)とする。
(理由)柳下先生は「鍼を構えて5秒以内に気が至る」と仰った。それが正しいなら、抵抗を探っていてはその間にも「気の至り」を過ごすことになる。
鍼先が抵抗に当たると衝突的にならないように左右圧をかけ、押し手に感じる鍼の存在感が無くならない程度の圧を保持する。
※鍼を押し続けている間に気が補われているという考え方があり、左右圧の役割は鍼が抵抗より先に進まないためだと思われる。
それから余り時間を置かず、弦絶のスピードで抜鍼する。
(理由)構えて5秒で気が至るなら、抜鍼まで時間をかけてはいけない。また柳下先生は「鍼体に付着した患者の脂を押し手で拭うようなイメージ」という表現をされたが、これは意識の問題であって実際のスピードは弦絶だと思われる。
抜鍼時、鍼体が押し手の拇指と示指の間を通過すると同時に、押し手の形のまま穴所にポンと蓋をする。その後改めて拇指または示指で鍼口を保護するように蓋をする。
(理由)従来の抜鍼では鍼体が通過すると同時に押し手の片方の指を外し、もう片方の指を鍼口側に倒して蓋をしたが、柳下方式の抜鍼では、この不自然な動きが無く滑らかであり、蓋をするスピードも速くなる。

 二つのメソッドはずいぶん異なっているように思えます。やはり大きく違っているのはΑ銑─吻察銑宗砲任靴腓ΑΔ虜典い砲弔い討修良塒從世呂海譴泙任力∈椶粘に述べましたので、ここでは繰り返しません。
 その他の検討事項や、それぞれのメソッドの効果については、今回も十分長くなりましたので次回に回します。(続く) Hiro.Simiz

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  • 2020.02.02 Sunday
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